薬用植物紹介

オウレン02

オウレン
Coptis japonica Makino

北海道、本州に分布し、山地の樹林下の湿ったところに自生し、また、薬用に栽培される常緑の多年草で、葉は根生し、その形状が1回3出複葉のものをキクバオウレン、2回3出複葉のものをセリバオウレン、3回3出複葉のものをコセリバオウレンといい、キクバオウレンは日本海側、セリバオウレン及びコセリバオウレンは太平洋側に自生する。花期は3~4月で、根元から高さ10cm位の花茎を出し、2~3個の白色花をつける。根茎は肥厚し、地下を斜めにはい黄色で、ひげ根も黄色である。

薬用部分は、根をほとんど除いた根茎をオウレン(黄連)と呼び、定植後5~6年の秋に掘りあげ、ひげ根をバーナ等で焼き去って除き、日干しする。

オウレン(黄連)は、止瀉薬、苦味健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原料とされるほか、漢方処方薬として黄連解毒湯等の処方に配合されている。

黄連の名前の由来は、多数のひげ根が黄色く連なるところから「黄連」と呼ぶようになったとされている。「黄蓮」と表記されることもあるが、元々は中国の別種の草の名で、その黄色く太い根茎を黄色い蓮根と見立てたものである。

 

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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