薬用植物紹介

マオウ

マオウ
Ephedra equisetina Bunge

中国の河北、山西、陝西、内蒙古、甘粛、新疆、四川西部などの各地に分布し、乾燥山地に自生する低木状の裸子植物。高さ30~50cm。木質茎から草質茎をそう生する。花期は5月。

薬用部分は草質茎で生薬名は、「麻黄(マオウ)」といい、日本薬局方マオウの原植物は、木賊麻黄(Ephedra equisetina Bunge)、草麻黄(Ephedra sinica Stapf)及び中麻黄(Ephedra intermedia Schrenk et C.A. Meyer)の3種に限定される。

成分として、エフェドリン、プソイドエフェドリン等を含有し、気管支筋の弛緩作用、血圧上昇、発汗作用、利尿作用などが認められる。

麻黄は、葛根湯、麻黄湯、小青竜湯、防風通聖散等の漢方処方に用いるほか、そのエキスを鎮咳去痰薬の配合剤の原料とする。

麻黄湯は、初期のインフルエンザにも用いられ、薬効薬理試験でウィルス増殖抑制作用及び抗炎症作用が確認されていることから新型インフルエンザ流行時に話題となった。

また、根を乾燥したものを麻黄根といい麻黄と反し血圧降下、止汗作用がある。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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