ウコン
Curcuma longa Linné
ショウガ科の多年草。熱帯アジア原産で、インド、中国南部、台湾、東南アジア、沖縄などで栽培されている熱帯植物。日本では冬に地上部が枯れる。
ウコン類には多くの近縁・類似種があり、基原植物の分類は難しいといわれる。また日本の「ウコン」は中国では「姜黄」、塊根を「鬱金」といい、生薬の認識に違いがある。
日本では、次の2つも一般に"ウコン"と呼ばれることがある。
- キョウオウ(姜黄)……別名春ウコン。学名C.aromatica Salisb.。花期は春。葉の裏面は軟毛がありビロードの手触り。根茎の切断面は鮮黄色。
- ガジュツ(莪朮)……別名紫ウコン。学名C.zedoaria Rosc.。花期は春~夏。葉表面の主脈に沿って赤紫色の筋がある。根茎の切断面は灰白色~淡褐色。日局収載品。
- 形態:
- 高さ50~150cm。葉は、長い柄のある長楕円形で両面とも無毛でツルツルした手触り。花期は夏~秋。白い花として見られるものは、多数の苞葉(ほうよう)からなる花穂(かすい)である。花は黄色で、苞葉の中に咲く。根茎は主根茎と側根茎からなり、肥厚する。切断面は黄~オレンジ色をして芳香がある。
- 成分:
- クルクミン、精油、でんぷん、脂肪油、など。
- 利用部分:
- 根茎。晩秋に地上部が枯れたら掘り上げ、薄く切って生で又は乾燥し粉末に。
- 用途:
- 薬用……利胆、芳香性健胃、鎮痛、駆お血、消炎止血、など。
- 食用……カレー粉原料、香辛料、着色(たくあん漬け)、お茶、など。
- ほか……染料(身体、衣類)、防虫・抗菌、など。
- 生薬名:
- 鬱金(うこん)……根茎をそのまま又はコルク層を除いたものを、通例、湯通ししたもの。
- 漢方処方:
- 中黄膏(ちゅうおうこう)……初期のはれもの、打ち身、ねんざに。
- 別名:
- 秋ウコン、キゾメグサ、ウッチン、ターメリック、クルクマ、インドサフラン。
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