房総半島から以西に見られる常緑藤木で、茎は四角く、つる状にのび、葉は卵形で対生している。その葉腋には小枝の変形した鉤があるが、鉤が1個の節と2個の鉤が互生する節が交互している特徴がある。この鉤の存在が独特であることからカギカズラという名が付いている。この鉤を引っかけていくことで他の木などにからまっていく。夏頃には、若い葉腋には球状に集まった多数の小さな花が咲く。
この鉤の部分を採取したものは生薬名「釣藤鉤(ちょうとうこう)」として利用される。この鉤の部分には他の葉や茎よりもインドールアルカロイドの含量が高いことが知られている。漢方処方にも配合されるが、単独でも鎮静作用が期待できることから様々な製剤に配合されている。
(奈良県薬事研究センターよりご提供)