メギ科の常緑低木で、樹高は1~2m程度と比較的低い。葉は枝先に集中して互生している。6月頃に白色の6弁花を咲かせた後、晩秋から冬にかけて果実が赤く熟していく。
この果実を十分に乾燥させてたものを「南天実(なんてんじつ)」と呼び、知覚神経・末梢運動神経に作用して百日咳や喘息などの咳止めに効果があるとされている。また、果実は薬用の他に生け花や正月の飾りにも用いられる。
果実だけでなく、葉は浴湯料として用いる他、葉を煎じて冷ましたものを扁桃炎のうがい薬の代わりとして用いる。また、毒消しの意味で赤飯の上に葉を載せることがあるが、これは葉が殺菌作用を示すためであると言われている。
類似のものに果実が白色のシロナンテンがあり、こちらの方が効果があると言われているが、実際のところあまり差はない。
(奈良県薬事研究センターよりご提供)