薬用植物紹介

ドクダミ01

ドクダミ
Houttuynia cordata

山野の陰地に生える多年草の草本。茎丈が20~50cmで葉は広卵形で無毛で葉の付け根に托葉がある。地下茎は白く、盛んに茎を出し、大いに繁殖する。

花は6月頃咲き、中央に密集した黄色の小花で、白く見えるのは葉に近い総苞片である。花の開花期に地下部を刈り取り、水洗いしてから日干しにしたものを生薬名「十薬」として用いるが、むしろ健康茶の原料としての需要が非常に多い。ドクダミの持つ独特の臭気の成分には抗菌効果があり、これは刈り取ってから乾燥させると無臭になる。

名前の由来は、その独特の臭気から「毒溜め」と呼ばれ、それが転じてドクダミに変化したとも、毒を消す「毒矯み」から転じたとも言われている。

十薬

採取時期:
花の開花期に地下部を刈り取り、水洗いしてから日干しにする。
成分:
臭気成分はデカノイルアセトアルデヒドなどの精油成分の他、ラウリルアルデヒト、メチルノニルケトンやフラボノイドのアフゼリン、クエルシトリン、イソクエルシトリン、カリウム塩などが含まれる。
薬効・用法:
水に浸した液は高血圧の予防に、煎じた液には利尿作用があるとされるため、健康茶の原料としての需要が多い。
その他、白癬菌やブドウ球菌にも有効であるとされ、抗菌性があると言われており、解熱、解毒、消炎の薬として用いられる。漢方処方には五物解毒湯に配合されている。

(奈良県薬事研究センター提供)

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