バラ科(Rosaceae)。中国原産で、古く奈良時代に薬用として日本に渡来して以来、各地で栽培され、日本人に愛されてきた落葉小高木である。"梅は百花の魁(先駆け)"といわれ、早春、葉がでる前に白色または、紅色の5花弁を開く。また、多数の園芸品種があり、花の色も白から薄紅色・紅色、また、一重咲き・八重咲きと多様である。果実は緑色の直径2~3cmの球形で、梅雨の頃黄色に熟する。梅の未成熟の果実を燻蒸乾燥したものを烏梅(ウバイ)と称し、漢方で止瀉薬あるいは駆虫薬として用いられる他、種子は梅仁、種子の中の仁を梅核仁と称し、中国で暑気払い等に用いる。また、果実を煮つめて得られるエキスを梅肉エキスと呼び、下痢、吐き気、その他消化器の異常に民間で用いる。また、ウメの名は烏梅の中国読みウメイに由来するといわれている。しかし、ウメは薬用としてより、梅干など食品としての利用が一般的である。
(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)