- エンゴサク01
ケシ科(Papaveraceae)。中国各地の山林に分布、または淅江省で栽培される軟弱な多年生草本。高さ10~20cm。塊茎は偏球状。4月頃、スミレに似た赤紫色の唇形花を横向きに付ける。
エンゴサクの塊茎を乾燥したものを「延胡索(エンゴサク)」と称し、鎮痛、鎮痙、鎮静薬として腹痛、生理痛に用いる。この中国種は享保年間(1717~1735)に初めて伝えられたとされる。
日本にはジロボウエンゴサク Corydalis decumbens(Thunb.)Pers.、ヤマエンゴサク Corydalis linearilo ba Sieb. et Zucc.、エゾエンゴサク Corydalis ambigua Cham. et Schlecht. 等の野生種があり、エゾエンゴサクが中国種に最も近い種とされる。しかし、これら在来種は品質が劣ること、産出量が極めて少ないことから、国内の市場品は中国と朝鮮産が大部分を占めるのが現状である。
(奈良県薬事研究センターよりご提供)