- 法華寺紹介
光明皇后の発願による総国分尼寺です。皇后は施薬院を設けたり、悲田院を置くなどして、社会事業、福祉事業も手がけた、かなり逸材の女性。法華寺境内に残る「から風呂」はその1つの現われといえます。
から風呂は、いまでいう蒸し風呂のことで、屋外の釜で薬草の湯を沸かし、室内にその湯気を送り込んで利用したものです。
光明皇后は、1000人の垢(あか)を流して功徳を積もうという悲願をたて、999人まで終えましたが、そこで迎えたのは全身かさぶたで被われた病人でした。さすがの皇后もこれにはいささかためらいましたが、悲願達成のためにと、その病人の申し出どおり膿(うみ)を吸い取りました。
すると、病人の身体はみるみるうちに美しくなり、たちまち、大光明を放って昇天してしまいました。病人は実は、阿しゅく如来の化身だったといいます。
実際にから風呂の前に立つと、この信じ難い伝説でもどこか納得させる風情が漂ってきます。
浴 室
本 堂