薬用植物紹介

ユキノシタ

ユキノシタ
Saxifraga stolonifera Meerb.

北海道を除く日本及び中国に分布し、湿った地上に生える半常緑多年草。観賞用として庭園に栽培もされている。葉は円い腎臓形、長さ3~6cm、幅3~9cm、葉質は厚くて柔らかく表面は長い毛におおわれている。匍匐枝は、糸状で地上をはい、新しい株をつくる。花期は5~7月で、花茎は20~50cm。

「大文字草」のように白色の大の字に見える5弁花を多数つける。

薬用部分は葉で、民間薬として、やけど、しもやけ、腫れ物に生の葉をあぶったものを貼って使用されている。また、葉の絞り汁は中耳炎にも用いられ、煎じた汁は痔に用いられている。

別名「虎耳草(コジソウ)」、「ミミダレグサ」とも呼ばれ、前者は葉の形が虎の耳に似ていることから,後者は中耳炎に用いられることからそう呼ばれるようになったとされている。ユキノシタは、年中収穫できる山菜としても親しまれており、天ぷらや、塩ゆでし、酢味噌和え等にする。また美白効果があるとされ、手作り化粧品の原料としても用いられているようである。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

[↑]