薬用植物紹介

テンダイウヤク02

テンダイウヤク
Lindera strychnifolia F.Vill.

中国原産で、静岡県、近畿地方南部、九州などに野生化した常緑低木。樹高は約3mで、幹は束生する。葉は互生し、薄い革質で長さ5~8cmの広楕円形。花期は3~4月で、葉えきに淡黄色の小さい花を多数つける。

薬用部分は根で生薬名をウヤク(烏薬)または天台烏薬といい、芳香健胃薬の原料として用いる。また、芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)等の漢方薬処方用薬としても用いられている。

史記によると、始皇帝の命により徐福は東方へ不老不死の薬を求めて船出し帰還しなかったとのことであり、徐福が漂着したという「徐福伝説」が日本各地に存在する。その一つの「熊野」では、徐福が求めた不老不死の薬は熊野に自生する天台烏薬だったとか、徐福が熊野に天台烏薬をもたらしたという伝説がある。もちろんウヤクには、不老不死の効果はない。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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