薬用植物紹介

ゲンノショウコ02

ゲンノショウコ
Geranium thunbergii Siebold et Zuccarini

北海道から九州、朝鮮半島、台湾及び中国に分布し、山野や道端に見られる多年草で茎の大部分は匍匐し、多少直立。多数分枝する。草丈30~50cm。葉は掌状に3~5深裂で幅3~7cm、葉縁は鋸歯状。花期は7~10月。色は、白から赤色と一様ではない。北日本では白色花が多く西日本では、紫紅花が多い。果実は熟すると種子を飛ばし、その後の裂開したさく果が御輿に見えることからミコシグサとも呼ばれる。

薬用部分は全草で生薬名をゲンノショウコといい、止瀉薬として用いる。ゲンノショウコは、「陀羅尼助」等の胃腸薬に配合される他、センブリ、ドクダミなどとともに日本の代表的な民間薬であり江戸時代初期から用いられていたとされる。

帯花中でないときは、有毒植物であるトリカブトに形状が似るので採取には注意が必要である。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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