薬用植物紹介

カキ

カキ
Diospyros kaki Thunb.

古い時代にカキの原種が中国から朝鮮半島経由で日本に入り、果樹として広く植栽されている落葉高木。高さは3~9mになり、幹は直立して多く分枝する。葉は楕円形で長さ7~17cm、花期は6月で葉の脇に淡黄色に咲き、雌雄異花で、花冠(花弁の集まり)は4裂する。

奈良県の柿の収穫量は全国第2位で、刀根早生や富有などの品種を五條市、下市町を中心として栽培されている。塩漬けした柿の葉は、県の名産品「柿の葉寿司」に使われている。

薬用部分は蔕(へた)で、生薬名は柿蔕(シテイ)である。しゃっくりを止める効能があり、一般漢方210処方中では柿蔕湯及び丁香柿蔕湯の2処方に配合されている。また、病院などで上腹部などの手術後に起こるしゃっくりに対して柿蔕煎の処方名で使用されている。柿蔕10gに水600mLを入れて30分ほどかけて300mLまで煎じ、かすを除き、煎じ液を1回約50mL、1日数回に分けて温服する。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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