薬用植物紹介

ウイキョウ

ウイキョウ
Foeniculum vulgare Miller

ヨーロッパ地中海沿岸地方の原産で、歴史上最も古い作物の一つである。日本へは明治初期に渡来し、長野県、愛知県、鳥取県で主に栽培されている多年草。草丈1.5~2mで、茎は直立して上部で分枝する。葉は互生し、3~4回細い線状に分裂する。花期は長く6~9月で、黄色い多数の小花をつける。

薬用部分は果実で、生薬名は「茴香(ウイキョウ)」である。果実が黄熟する少し前の9~10月頃、果穂ごと採取し、2~3日日干しにした後果実だけを集める。主な薬効は芳香性健胃や去痰であり、漢方処方では「安中散(あんちゅうさん)」に配合されている。

一般的に「フェンネル」と呼ばれ、薬用の他、香辛料やハーブとして用いられる。西洋料理では、魚料理やピクルスの風味付け、インドではカレー料理、中国では五香粉の原料として用いられる。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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