ミカン科の落葉性の高木で、日本各地の山地に自生する。幹は厚い周皮に覆われ、多数の縦溝が見られる。葉は対生し、奇数羽状複葉で狭卵形~卵状長楕円形をしている。初夏に黄緑色の小花をつける。
薬局方では周皮を除いた樹皮を「黄柏」として収載している。「黄柏」はその名の通り黄色が鮮烈で、唾液を黄色に染める。味は苦く、主要成分のベルベリンにはグラム陰性・陽性菌にともに抗菌性を持っていることが知られている。
古くから利用されているもので、練り混ぜてペースト状にしたものを外用に用いたり、家庭薬の陀羅尼助などに配合されている成分のひとつで、県内ではおなじみの生薬である。
(奈良県薬事研究センターよりご提供)