薬用植物紹介

テンダイウヤク01

テンダイウヤク
Lindera strychnifolia F.Vill.

クスノキ科(Lauraceae)の常緑の低木で、雌雄異株で葉は広い楕円形で3本の脈があり、裏面は白く、ときには毛がある。秋、葉のわきに花の蕾ができ、翌年の4月に開花する。

根は長さ約15cm 、太さ約2cm 、色は外面は紫黒色、内部は白い。

薬用部位は数珠状になった肥厚した根を冬から春にかけて掘り取り、水洗後日干し乾燥する。

漢方では、根を烏薬又は天台烏薬と称し、芳香性健胃薬、強壮薬として使用する。

用法・用量:
1回10gに水400mlを加え1/2量に煎じて、適宜服用する。

最近、葉や茎を健康茶として市販しているが、薬用としては使わない。

成分として、リンデラン、リンデレン、リンデロール、ボルネオールが含まれる。

漢方処方例:
香烏散、天台烏薬散、烏薬順気散
性味:
性は温、味は辛
帰経:
脾・肺・腎・膀胱

名前の由来は、中国の天台山に産するものが効き目がよいというので「天台烏薬」名が付けられたが、現在中国では単に「烏薬」と呼んでいる。

栽培及び繁殖:温暖地で、水はけの良い、適度の湿り気のある場所が適し、繁殖は挿し木(その年に伸びた枝が固まる6~7月)又は果実による。

原産地は中国の揚子江以南及び台湾といわれていて、除福が持ってきたとか吉宗の代に入ってきたとか元々日本の暖地に自生していたとかいわれ定かではないが、除福伝説が夢があって良いのではないか。

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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