薬用植物紹介

オオツヅラフジ

オオツヅラフジ
Sinomenium acutum Rehder et Wilson (Menispermaceae)

本州関東地方南部以西、四国、九州、沖縄及び中国、台湾に分布し、山地に自生するつる性落葉低木。茎は、長さ10m以上になり、緑色で平滑。葉は互生し、多角状円形から卵円形で長さ6~15cm、しばしば掌状に5~7中裂か浅裂する。花期は6~7月で、葉えきに淡緑色の小さな花を円すい花序につける。果実は核果で、6~7mmの球形でまばらな房状につき夏から秋にかけて青黒く熟すが、有毒なので食用にはできない。

薬用部分は、つる性の茎及び根茎で、生薬名を防已(ボウイ)といい、防已黄耆湯など、鎮痛薬、利尿薬とみなされる処方に配合されているほか、神経痛などに用いられることがある。

オオツヅラフジ(大葛藤)の名の由来は、つるがフジ(藤)に似ており、このつるで籠や、つづら(葛籠)を編んでいたことからつけられたといわれている。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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