薬用植物紹介

ヒキオコシ

ヒキオコシ
Isodon japonicus Hara.

北海道南部から本州、四国、九州及び朝鮮半島のやや乾燥した山野に自生する高さ50~100cmの多年草。茎は四角形で直立し、上部は分枝する。葉は対生し広卵形、葉縁は鋸歯状。花期は9~10月で、枝先や葉えきに円すい花序をだし、淡紫色で5~7mmの唇形の花を多数つける。

薬用部分は茎葉で、生薬名を延命草(エンメイソウ)といい、民間薬で苦味健胃薬として、古来より広く用いられている。

延命草は第五改正日本薬局方に収載された医薬品であるが,第六改正日本薬局方(昭和26年、戦後最初の改正)では削除されている。

弘法大師が倒れていた行者に、近くの草の汁を搾り口に含ませたところ、たちどころに元気を取り戻して旅を続けることができたという故事によって、ヒキオコシ(ひき起こし)、延命草という名前がついたとされている。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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