薬用植物紹介

ホザキイカリソウ

ホザキイカリソウ
Epimedium sagittatum Maxim

中国の浙江、安徽、江西、湖北、四川、福建、広東、広西、台湾に分布する多年草で、日本では天保年間に渡来し、薬用としてまれに栽培されている。

草丈30~40cm。根生葉は、2回3出複葉。小葉は、長さ6~10cm、卵状長楕円形、刺毛がある。花は白色。円すい花序につく。

薬用部分は、地上部全草で生薬名を淫羊霍(インヨウカク)といい、強壮、強精に用いる。茎、葉に含まれる「イカリイン」は、5型ホスホジエステラーゼに対する弱い阻害作用があり、かなり弱いが、ED治療薬のクエン酸シルデナフィルに似た作用がある。

淫羊霍という名は、本草綱目に「西川(現在の四川省)北部に淫した羊ありこの霍を食べたために一日百遍合す。」と記されていることに由来する。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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