薬用植物紹介

ジャノヒゲ02

ジャノヒゲ
Ophiopogon japonicus Ker-Gawl.

日本各地、中国、朝鮮半島に分布し、山地の樹陰などに自生する他、民家で裁植されている常緑の多年草。

葉は根生で、そう生し、線形から広線形で長さ30~40cm。やや直立し、鈍頭。根茎は太く匐枝をつけ、根は一部が紡錘状に肥厚する。花期は、7~8月。葉間から、花茎を単生し、広鐘形で淡紫色又は白色の花をやや密に付ける。種子は球形で碧色。

薬用部分は、根の膨大部で生薬名を麦門冬(バクモンドウ)といい、麦門冬湯(バクモンドウトウ)等の鎮咳去痰薬とみなせる漢方処方に配合されている。

名の由来は、ジョウノヒゲが転訛して、ジャノヒゲになったと考えられる。ジョウノヒゲとは、「尉(じょう)の鬚」の意であり、能面で老人の面を「尉(じょう)」といい、この葉の様子をその面の鬚(あごひげ)に見立てた。また、その形状から龍の髭(リュウノヒゲ)とも呼ばれている。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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