薬用植物紹介

サネブトナツメ

サネブトナツメ
Zizyphus jujuba Miller var. spinosa Hu ex H.F.Chou

中国各地、内蒙古に分布し、日当たりのよい乾燥地帯に自生し、日本では民家に植えられ、時には野生化している。

落葉低木で、枝には托葉が変化した棘(とげ)があり、棘の長さは長いもので3cmに達する。当年枝は、緑色で下垂し、葉は、長さ3~7cm幅1.5~4cmの3脈が目立つ卵形~卵状楕円形で、葉の基部は、多くの植物と異なり左右非対称。花期は6~7月で、短い集散花序を腋生及び頂生し、黄緑色の花を付ける。果期は、8~9月で、近球形、直径0.7~1.2cmで、ナツメの果実より、小さい。

薬用部分は種子で生薬名を酸棗仁(サンソウニン)といい、酸棗仁湯等の精神安定作用等を目的とした漢方処方に配合されている。

芽吹くのが遅いことから夏芽→ナツメ(棗)、果実に酸味のあることから酸棗(サンソウ)、ナツメの果実と比べて種子(「サネ」……実、核のこと)の大きさの割合が大きいことから、サネブトナツメと名付けられたとのこと。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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