薬用植物紹介

ナツメ02

ナツメ
Zizyphus jujuba Miller var. inermis Rehder

ヨーロッパ南部、アジア西南部原産で、日本各地で広く植栽される落葉小高木。樹高10mに達する場合もあり、よく分枝する。葉は、羽状複葉状に互生し、卵形から長卵形で長さ2~4cm。花期は4~5月で、淡緑色の小花が、葉のわきにつく。果実は核果、楕円形で長さ2~3cm、はじめは淡緑色で熟すと暗赤色になる。

薬用部分は、果実で、タイソウ(大棗)と呼び、秋に果実を採取し軽く湯通しして乾燥させる。

タイソウ(大棗)は、漢方処方用薬であり、かぜ薬、鎮痛鎮痙薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬、精神神経用薬とみなされる処方及びその他の処方に高頻度に配合されている。

大棗は、延喜式(平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則))にも名が出ていることから、古くから渡来し、薬用に供していたことがわかる。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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