薬用植物紹介

ダイダイ

ダイダイ
Citrus aurantium L.

インド・ヒマラヤ地方原産の常緑小高木で、日本へは古くに中国から渡来した。樹高4~5mで、枝にはとげがあり、葉は卵状長楕円形で先端がとがる。花期は初夏で、こずえの葉えきに1~数個の白色の花を開く。果実は球形で冬に熟して黄色になる。

薬用部分は、成熟した果皮を乾燥したものをトウヒ(橙皮)と呼び、未熟な果実をそのままもしくは半分に横切りし、乾燥させたものをキジツ(枳実)と呼ぶ。

トウヒは、芳香性苦味健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原料とされ、キジツは,漢方処方薬としては、四逆散、大柴胡湯等の処方に配合されている。

ダイダイの名前の由来は、「代代」の意味で、果実が成熟しても落果し難く採取しなければ、2~3年は枝についており、年を越しても木に付いている事からといわれている。また、ダイダイが正月飾りに用いられるようになったのも、この「代代」の意味から「代々栄える」という縁起を担いだものである。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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