奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


トウガラシ
Capsicum annuum Linne(Solanaceae)

南米の原産で、コロンブスがアメリカから持ち帰り、ヨーロッパ経由で1600年前後に日本へ伝えられた。現在では、広く各地で栽培されている。日本では、多くは野菜としての生産であり、東南アジア各地から香辛原料として輸入している。

茎は高さ約60cm、直立して分枝は多い。温帯栽培では1年草だが熱帯では多年草でやや低木状になる。花は白色で、花期は8〜9月。果実は皮針形で長さ約5cm、茎に上向きにつく。形の大小、色、辛味の度合いなどで種類は多岐にわたる。トウガラシは辛味成分カプサイシンを含有し、カプサイシンを多く含んでいる品種に「鷹の爪」、「八つ房」及び「伏見」などがある。トウガラシの辛味のない改良品種がピーマンである。

カプサイシンは、粘膜や皮膚に対して強い刺激作用があるので、皮膚刺激薬として神経痛や筋肉痛などにトウガラシを用いる。使用方法は、トウガラシを細かく刻み、その全量の約4倍のホワイトリカーを加えて20〜30日漬け、布でこして作ったトウガラシチンキを患部に塗布する。また、辛味性健胃薬として唾液分泌、胃酸分泌などを促進する作用がある。

食品では、カレー粉や七味唐辛子など香辛料、薬味としても欠かせないものとなっている。七味唐辛子は、トウガラシを主原料とし、山椒、胡麻、麻の実、陳皮、芥子の実、紫蘇子の7種類から成る薬味である。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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