奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


クチナシ
Gardenia jasminoides Ellis

日本の西南部から台湾及び中国の暖地にかけて自生、また、庭木として裁植されるアカネ科の常緑低木。

高さ約2mでよく分枝する。葉は長楕円形で長さ5cm〜10cm、先は尖り光沢がある。花期は6〜7月、花の大きさは約6cm、白色で芳香がある。晩秋のクチナシの果実は、楕円形で長さ3cmほど、また縦に6、7つの筋があり、果実の先にがくが宿存(花弁が枯れ果実が熟したあとにも枯れずについている状態)している。名の由来はクチナシの果実が熟しても開裂しないので、「口無し」から名付けられたと言われている。

日本薬局方には、サンシシ(GARDENIAE FRUCTUS:山梔子)として収載されている。11月頃、黄変した完熟果実(赤変する前)を採取し果柄やがくを取り除き乾燥させる。

イリドイド配糖体のゲニポシドやカロチノイド色素のクロシンなどを含む。止血、消炎、鎮静作用があり、利胆、解熱、止血、鎮痛薬として用いられている。民間薬では打撲傷、ねんざに外用する。

薬用以外に、飛鳥時代から黄色染料として布地に、また無害の黄色着色料として、現在もたくあん漬けや栗きんとんなどの黄色の食品にも利用されている。

クチナシは、暖地性の常緑性木本で関東以北では結実しないこともある。また、園芸用八重咲品種も結実しない。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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