奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


アカメガシワ
Mallotus japonicus (Thunb.)Muell. Arg.

北海道を除いた各地に野生する落葉高木。雌雄異株で、成長が速く、樹高は10m余りにもなる。

昔は、色々な葉を食器として利用しており、それらは「かしきは(炊葉)」と呼ばれ、次第に「かしわ」と呼ばれるようになった。アカメガシワも同様に利用されていたようで、ゴサイバ(五菜葉)、サイモリバ(菜盛葉)等の別名がある。なお、端午の節句に用いられるブナ科カシワQuercus dentataとは、葉は似ておらず、科も異なる。

葉は、赤く長い葉柄があり、基部が円形で先端は尖っており、長さ10〜20cm。基部には黄色い腺点があり、アリが集まることもある。新葉は、名前のとおり赤い。赤い星状毛が生えているためである。葉が大きくなるに従い、星状毛の間隔が広がり又は抜け落ちたりして、葉は緑色となる。

花期は6月。長さ8〜20cmの長い花序に密に花を付ける。果実は秋には熟して果皮が割れ、約4mmの黒い種子が見えるようになる。この種子は、すぐには発芽せず土中で長期間休眠するが、森林伐採などで直射日光により土中温度が高温になると休眠を打破し発芽する。荒れ地にいち早く生えてくるパイオニア植物のひとつとされている。

日本薬局方の医薬品各条生薬等の最初に同名で収載されている(Malloti Cortex)。薬用部位は樹皮。夏に採取し、水洗い後日干しする。イソクマリン類のベルゲニン、ルチン、タンニンなどを含む。ベルゲニンには、胃液分泌抑制作用、抗潰瘍作用があり、アカメガシワは、多くの胃腸薬に含まれる。なお民間的には、あせもなどに葉を浴用剤として使用する。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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