奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


ノイバラ
Rosa multiflora Thunberg

日本各地の原野、川岸に自生する落葉低木。野生バラの代表種である。

樹高は2m、茎は斜上〜直上し、盛んに分枝する。枝には鋭いとげがある。

葉は、葉軸の左右に小葉が集まった羽状複葉で、小葉は、大きさ2〜3cm、葉縁は鋸歯状で、上面は光沢がなく、下面には短い毛が生えている。なお、ノイバラに似ていて、葉の上面に光沢があるものはテリハノイバラとして区別される。

花期は5月。ほのかに香りのする純白の5弁の花が円すい状に集まって咲く。花径は約2cm。満開時には、みごとである。

秋に、偽果が紅熟する。偽果とは子房以外の部分が果実にみえるもの。偽果は0.5〜1cmの球形〜だ円球形。偽果の中は、絹毛で覆われた5〜10個の堅果がある。堅果は、長さ4mm程度で細長い。

日本薬局方には、エイジツ(ROSAE FRUCTUS:営実)として収載されている。薬用部位は、偽果又は果実。偽果を玉営実、堅果を営実仁ともいう。偽果が深紅色に熟する一歩手前、多少青みがかかったものがある頃に採取し、日干しする。フラボン配糖体や紅色素リコピンを含んでおり、煎じたものを、利尿、下剤としては服用し、おできなどの腫れ物には、塗布する。

現在日本では営実を漢方用とすることはない。また、中国では花を「薔薇花(しょうびか)」と称し薬用にしているが、日本では花は利用しない。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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