奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


キダチアロエ
Aloe arborescens var. natalensis

アフリカ原産のユリ科の多年草。アロエ属の中でも比較的寒さに強く、江戸時代に渡来して以来各地で栽培されており、日本でもよく見られるアロエである。日本では古くからアロエを「ろかい」と言ったが、漢字名の「蘆薈」に当て字したものといわれている。

「キダチ」と名にある通り、茎は伸びて立ち上がる。葉は互生し、多肉質で細長く先は尖り、葉縁には鋭いトゲがある。表面はへこんでいる。花期は12〜3月で、茎の頂付近から朱〜赤色をした房状の花が咲く。

民間薬として知られ、俗に「医者いらず」と呼ばれている。必要時に葉を採り、火傷やすり傷などにゼリー状の部分を貼ったり、胃痛や咳などに汁を飲むなど利用されてきた。

アロエ属は種類が多く、300種以上あるといわれている。日本で見られるアロエ・ベラ(Aloe barbadensis Miller)は、葉がキダチアロエより大きくロゼット状に広がった形をしており、ヨーグルトやジュースなどの食品や化粧水に利用されている。

日本薬局方に収載されている「アロエ」の原植物は、主にAloe ferox Miller、又はこれとAloe africana Miller又はAloe spicata Bakerとの雑種で、南アフリカのケープ地方で産出されるためケープ・アロエとも呼ばれる。生薬の「アロエ」は葉そのものでなく、葉の切り口から出る液汁を集めて乾燥し固めたもので、黒褐色〜暗褐色の塊である。主成分のバルバロインは、少量では苦味健胃作用、大量では大腸を刺激して瀉下作用を起こす。健胃薬、瀉下・緩下薬として用いられる。

アロエを大量に服用すると、腹部の疝痛(せんつう)や骨盤内臓器の充血を起こすので、妊娠中や生理中、痔疾や虫垂炎の疑いがある場合等には服用しないなど、注意が必要である。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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