奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


カミツレ
Matricaria chamomilla Linné

キク科の一年草。高さは30〜60cm、茎は直立して多数分枝し、葉は細かい羽状で互生する。花期は初夏で、黄色の筒状花とその周りに白い舌状花がつく直径2cmほどの頭花をつける。頭花は初め扁平だが、開花が進むと筒状花が盛り上がり舌状花が垂れ下がる。

薬用部分は頭花で、開花期に採取して乾燥させる。頭花はリンゴ様の香りがするが、乾燥してもかすかに残る。味はわずかに苦い。生薬名カミツレは、日本薬局方に第六改正まで収載されていたが、現在は日本薬局方外生薬規格に収載されている。発汗、鎮痛、鎮痙、健胃、抗炎症作用があり、風邪、頭痛、胃痛や胃弱、不眠などに用いられる。また、エキスは収斂、保湿成分として化粧品に配合されている。

日本には江戸時代にオランダ人によって紹介された。原産地のヨーロッパでは、古くから風邪や頭痛、下痢などに、生の花をお茶として飲む風習があり、最も一般的な薬用植物の一つである。属名のMatricariaは、ラテン語のmater(母)、matrix(子宮)に由来すると言われ、婦人病に用いられたことがうかがえる。

本種は別名ジャーマンカモミールという。類似植物のローマンカモミールは、多年草で全草にリンゴ様の香りがあり、成分は少し異なるが同様に利用されている。草丈が低く踏むと香るので芝生に利用されることもある。ちなみに花言葉は「逆境に負けない強さ」である。

成分:
精油(カマズレン〈アズレン類〉、ビサボロール、スピロエーテル等)、クマリン類、フラボノイド、ほか
利用方法:
風邪、頭痛、消化器系の不調、不眠症などに、1回量5gに熱湯を注ぎ5分ほどおいてお茶として服用する(1日量15g)。
外用では、肌の荒れや冷え性に浴湯料として、煎じた液を口内炎などにうがい薬として用いる。
注意事項:
利用部位は花粉を含むため、アレルギー症状の出る場合がある。また妊娠中の人は、お茶として多量に服用することは避ける。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

[↑]