奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


カラタチ
Poncirus trifoliata Rafin.

ミカン科の落葉性低木で、高さは3mを超えることもある。葉は有柄で複葉、茎には稜角があり、互生している棘は長いものでは3cmに及ぶ。春になると、葉が出てくる前に白色の5弁の花が咲く。花が終わると秋にかけて3〜4cmほどの果実ができる。この果実を採取し、調製したものを、生薬名「枳殻(きこく)」または「枳実(きじつ)」と呼び、それぞれ調製法が異なっている。なお、現在、市場に流通しているものはほとんどがダイダイ・ミカン・ナツミカンを起原としたものが主であり、カラタチは薬局方の起原植物からは除かれている。

カラタチは侵入者を防ぐための垣根によく使われていたこともあり、割になじみ深い。しかし、棘が煩わしいためかカラタチの生垣は現在ではあまり見られなくなった。一方、カラタチは結実が早いため、柑橘類の接ぎ木の台木としても利用されることもある。

枳実(きじつ)(日局 キジツ)

採取時期:
秋頃、黄色い未熟果実を採取(枳実)または、成熟果を採取(枳殻)
調製法:
2つに輪切りにした果実を完全に乾燥させる。
成分:
精油の他、ナリンギン、ヘスペリジンなどのフラバノン 配糖体など。
用途:
芳香性健胃薬として製剤に配合される他、痰や咳を除く効果も見られる。枳殻はやや作用が弱い。
漢方処方:
緩下薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。(五積散・温胆湯・四逆散など)

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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