奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


ビワ
Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl

バラ科の常緑性高木で、高さは10mぐらいになる。葉は大型で互生し、長さ約20cm、幅約5cmの楕円形で先は尖り、葉縁は鋸歯状に切れ込んでいる。葉の上面は初め毛があるが、後に脱落して光沢のある脂緑となり、下面にはラシャ状に褐色の毛が密生し、質は厚く革質である。晩秋から初冬にかけて枝先に白色の5弁の花が咲き、冬に咲く数少ない花のうちの一つ。

翌年の夏にできる果実は黄色で、広く食用とされるが、一般に薬用とはされない。種子にはアミグダリンが含まれ、鎮咳作用が期待される。果実をつけ込んだ果実酒は疲労回復・食欲増進などによいとされている。一方、葉は生薬名「枇杷葉(びわよう)」として利用される。

枇杷葉(びわよう)

採取時期:
春から秋にかけて青々とした新鮮な葉を採取する。
調製法:
摘みとった葉の裏にある毛を取り除いた後、乾燥させる。
成分:
精油・サポニンの他、種子に含まれているアミグダリンも少々含まれている。
用途:
民間利用の用途は幅広く、あせもに生の葉の煎じ液を外用するほか、浴用剤としての利用も可能である。また、枇杷葉と肉桂(にっけい)、霍(かつこう)、莪述(がじゅつ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、木香(もっこう)、甘草の計7品目を同量混ぜ合わせ、煎じたものは枇杷(びわ)葉(よう)湯(とう)と呼ばれ、江戸時代に暑気払いの飲み物として人気があったとされている。
漢方処方:
主に咳や痰の効果を期待して用いられる。
辛夷清肺湯(辛夷1.5、百合1.5、知母1.5、黄岑1.5、山梔子0.75、升麻0.75、麦門冬3、石膏3、枇杷葉0.5)など。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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