薬用植物紹介

カギカズラ

カギカズラ
Uncaria rhynchophylla Miquel

房総半島から以西に見られる常緑藤木で、茎は四角く、つる状にのび、葉は卵形で対生している。その葉腋には小枝の変形した鉤があるが、鉤が1個の節と2個の鉤が互生する節が交互している特徴がある。この鉤の存在が独特であることからカギカズラという名が付いている。この鉤を引っかけていくことで他の木などにからまっていく。夏頃には、若い葉腋には球状に集まった多数の小さな花が咲く。

この鉤の部分を採取したものは生薬名「釣藤鉤(ちょうとうこう)」として利用される。この鉤の部分には他の葉や茎よりもインドールアルカロイドの含量が高いことが知られている。漢方処方にも配合されるが、単独でも鎮静作用が期待できることから様々な製剤に配合されている。

釣藤鉤(ちょうとうこう)

採取時期:
主に野生品について、春・秋に鉤のついた茎を採取する。
調製法:
採取した鉤のついた茎を陽乾して調製する。
成分:
インドールアルカロイド(リンコフィリン・ヒルスチンなど)
用途:
めまい・頭痛・のぼせ・精神的興奮症状・心悸亢進などに用いる。
漢方処方:
釣籐散・七物降下湯・抑肝散など

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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