奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


ナツメ
Zizyphus jujuba

クロウモメドキ科の落葉性低木〜小高木で高さはおよそ10mに達する。中国北部の原産で、初夏に芽を出すことから夏芽という名がついたと言われる。葉は互生し、形は卵形もしくは長卵状でやや左右非対称で先は鈍く、表面に光沢があり、周囲はやや鋸歯状に切れ込んでおり、質は薄いが硬い。初夏頃に花が咲くが、約5mmと非常に小さな淡緑色で腋生および頂生する。果実は夏の終わり頃に緑から褐色に変色する。楕円または卵形で2〜3cmの長さがある。この果実を乾燥させたものを生薬名「大棗」と呼び、繁用漢方処方においては出現率が5位以内である要薬でもある。

大棗

採取時期:
秋頃、赤くなった果実を収穫する。軽く湯通しした後に乾燥しておく。
調製法:
5環性のトリテルペン、ダンマラン型トリテルペンサポニン、vomifolioiの配糖体やベンジルアルコールの配糖体などが知られている。その他、ビタミンCや脂肪酸、ペクチン、cAMPなども含まれる。
薬理作用:
免疫性に対する作用、抗潰瘍作用、鎮静作用などが認められている。糖類が非常に多く、滋養強壮の働きをしていることが推察される。また、cAMPが含まれていることから気管支喘息やアレルギー性疾患の治癒に関連するとも考えられる。しかしながら下記の漢方処方に配合される場合、大棗の作用としてはむしろ他薬の作用を調和、緩和させる効果があるものと考えられている。
漢方処方:
かぜ薬、鎮痛鎮痙薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬、精神神経用薬とみなされる処方の他様々な処方に配合されている。
[胃苓湯・葛根湯・葛根湯加川・辛夷・大麦大棗湯・桂枝加芍薬湯・呉茱萸湯など多数]

(奈良県薬事指導所提供)

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