薬用植物紹介

キキョウ01

キキョウ
Platycodon Grandiflorum

キキョウ科の多年生草本で、日本各地で広く栽培されている。かつては山中草地に自生していたが、最近では野生品は少なくなってきている。また高さは約1m で、切ると白色の乳液が出てくるという特徴がある。葉は互生してつき、卵型で周囲はギザギザしている。夏から秋の頃に紫色または白色の花が分枝した茎の先に咲く。

薬用として生薬に用いられるのは根の部分で、「桔梗根」ないしは「桔梗」と呼ばれている。

採取時期:
根を6~7月、または秋に地上部が枯れた頃に掘り上げ、水洗いした後、細根と皮を除いて日干しにする。
調製法:
主としてサポニン(Platycodin)、その他にイヌリンなど
薬理作用:
接触した皮膚、特に柔らかい粘膜では炎症を起こす。咽頭粘膜においては咳を誘発して痰の排出をよくする。また、胃粘膜においては悪心・嘔吐がおこる。このことから去痰あるいは吐剤に用いられる。その他、排膿、抗菌作用や鎮痛、鎮静、解熱作用があるとされる。
漢方処方:
消炎排膿薬、鎮咳去痰薬と見なされる処方に主に配合されている。桔梗湯・葛根湯加桔梗辛夷大黄・十味敗毒湯・桔梗解毒湯・荊芥連翹湯・荊防敗毒散など

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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