奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


オウレン
Coptis japonica Makino

キンポウゲ科(Ranunculaceae)の常緑の多年草で両性花と雄花が別の株につく。北海道、本州、四国の山地の樹林下にまれに自生するが、多くは栽培される。根茎は黄褐色をしてやや短く肥厚しており、地下部は黄色く、たくさんのひげ根をだす。

早春、10cmから25cmの花茎をだし、その上部に径が8〜12mmの白花が2〜5個つく。根茎部は「黄連」として薬用に用い、健胃消化薬や止瀉整腸剤などに配合される。薬理的には抗微生物、抗病原虫作用や循環系に対する作用、アセチルコリンに対する作用などがあるとされる。

日本で栽培されているのは主にセリバオウレンであるが、兵庫県氷上郡山南町の畑地で古くから栽培されているものは丹波オウレンと呼ばれる。また、福井県大野市の標高800〜1200mの山地で栽培されているものは越前山オウレンと呼ばれる。他にコセリバオウレンが日光黄連として流通したこともあるが、根茎が細く、生産性は低い。

中国産黄連の同属の原植物としてはC.chinensis Franch(黄連)、C. omeiensis C.Y.Cheng(峨嵋黄連)、C. deltoidea C.Y.Cheng(三角葉黄連)、C. teeta Wallich(雲南黄連)などがある。

採取時期:
11月頃
調製法:
掘り起こした後、茎、葉、ひげ根および泥、土を取り除き、日干しするか火で乾かし、コルク層をこすって除去する。
性味:
性は寒、味は苦
帰経:
心・肝・胆・胃・大腸経
成分:
主としてベルベリン(3〜7%)で他にパルマチン、コプチシンなどを含む。
用法・用量:
止瀉薬および苦味健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原料とする。1日最大分量3g、粉末として1.5g
漢方処方:
健胃消化薬、止瀉整腸薬、止血薬、精神神経用薬と見なされる処方やその他の処方に配合される。(処方例:黄連湯、加味解毒湯、黄連解毒湯、甘草瀉心湯など)

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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