奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


ツルドクダミ
Polygonum multiflorum Thunberg

タデ科(Polygonaceae)。中国原産の落葉性のつる性多年草。葉は卵心形で先は鋭く尖り、柄がある。8〜10月頃、枝先や葉腋に多数の総状花序からなる花穂を出し、白〜淡紅色の小花を無数に咲かせる。根茎は土中を横にはい、所々太い塊状の根茎となる。この塊根を乾燥したものを「何首烏(カシュウ)」と称し、緩下、強壮薬とされる。ツルドクダミの名は葉がドクダミに似ることから名づけられたものであるが、ドクダミ(ドクダミ科)とは関連はなく、まったく別の植物である。かつて何首烏は「不老長寿の薬で、強壮薬として白髪を黒変する」と誇大に効能が宣伝されたこともあり、享保5年(1720年)に中国より導入され、栽培されたが、今ではほとんど栽培されることもなくなり、各地で野生化している。民間的な利用に際しては、強壮薬としての効果を過剰に期待することより、緩下剤として利用されることを勧める。

採取時期:
10月頃
調製法:
根茎を掘り取り、二つか三つに輪切りにし、よく水洗いしてから、天日乾燥する。乾燥しやすいように細かく刻んでもよい。
性味:
性は温、味は苦・甘・渋
帰経:
肝・腎経
成分:
アントラキノン類のエモジンやクリソファールのほか、レシチンを含む。
用法・用量:
何首烏5〜15gを1回量として、水で煎じて服用する。
漢方処方:
当帰飲子。

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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