奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


ジャノヒゲ
Ophiopogon japonicus Ker-Gawler

ユリ科(Liliaceae)。日本各地や中国、朝鮮に分布、山林の陰に自生し、庭園等の下草として植えられる常緑性多年草。葉は細長い線状で幅2〜3cm、長さ10〜30cm深緑色で硬く、光沢があり、根元から多数の葉が出る。葉の縁には細鋸歯がある。7〜8月頃、葉間から高さ約10cmの花茎を出し、その先端に白〜淡紫色の6弁花を数個下向きに咲かせる。秋には一見果実のような球形の種子が付き、熟すと濃青色となり光沢があって美しい。

地下のひげ根は所々が紡錘形に肥大し、この部分を漢方で「麦門冬」と呼び、滋養強壮、鎮咳、利尿、解熱、消炎薬、慢性気管支炎、肺結核、咽頭炎等の咳に用いる。また、民間でも滋養強壮、咳、声がれ、浮腫、動悸等に煎じて飲む。

ジャノヒゲ(蛇のヒゲ)は、その細かい葉が竜のヒゲに似ていることから、別名「リュウノヒゲ」とも呼ばれる。

採取時期:
5月
調製法:
根の膨らんだ部分を用い、水洗いして、日干しにする。
性味:
性は微寒、味は甘・微苦
帰経:
心、肺、胃経 漢方処方箋:麦門冬湯、温経湯、滋陰降火湯、滋陰至宝湯、炙甘草湯、辛夷清肺湯、清心蓮子飲、清肺湯、竹茹温胆湯等。
成分:
ステロイド配糖体(オフィオポゴニンA〜D)、ホモイソフラボノイドのオフィオポゴノンA、粘液質、ボルネオール誘導体等を含む。
用法・用量:
麦門冬5〜15gを煎じて服用する。
浮腫、動悸には量を多めに(約15g)。
その他:
日局13第一追補において、「バクモンドウ」はその基原から「その他同属植物」の記載が削除され、「本品はジャノヒゲ Ophiopogon japonicus Ker-Gawlerの根の膨大部である。」と改正された。
同属植物にはオオバジャノヒゲOphiopogon planiscapus Nakai、ナガバジャノヒゲOphiopogon ohwii Okuyama 等があり、民間療法的使用に関してはジャノヒゲ同様に用いることができる。
類似植物にはヤブラン Liriope graminifolia Baker(大葉麦門冬)、ヒメヤブラン Liriope minior Makino 等がある。ジャノヒゲ属の花は下向きに咲き、種子が濃青色であるのに対し、ヤブラン属は花は上向きに咲き、種子が緑黒色(ヤブラン)や黒色(ヒメヤブラン)であるのが特徴である。

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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