奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


スイカズラ
Lonicera japonica THUNB.

スイカズラ科(Caprifoliaceae)中国、朝鮮及び日本に生える常緑のつる性の植物で、冬も枯れないので忍冬(にんどう)と呼ばれる。

日本では各地の生け垣、庭園に植えられ、路傍、丘陵、川岸に見られる。5〜6月にかけて白色の花が2個並んで咲き、後に黄色に変わり、恰も金(黄花)と銀(白色)が入り乱れて咲いているように見えるので金銀花(きんぎんか)と呼ばれ、花の奥には蜜があって口に含んで吸うと良い香りの甘い味がするのでスイカズラ(吸葛:すいかずら)の和名が付いた。

漢方では茎・葉を乾燥したものを「忍冬」といい、タンニン、苦味配糖体ロガニン等が含まれ、花蕾を「金銀花」と呼び、カフェータンニン、ルテオリン等が含まれ、ともに収歛性利尿、緩下薬として毎食後に煎汁を服用する。

利尿、浄血、解毒、殺菌等の効果があり、皮膚病や化膿性疾患に用い、梅毒、淋病、腸炎、関節痛、腰痛、痔、風邪、宿酔などいろいろな病気に民間薬として使われてきた。

また、葉を「忍冬茶」として、焙じ茶の代わりにすることがあり、利尿、下痢止めに効く。

毎年4月18日午前10時30分より大物主大神(大巳貴命の和魂)を祀る薬の神様として有名な大神神社とその荒魂を祀る狭井神社の両社で行われる鎮花祭の神饌には御神体山であり、万葉集等に御室山と謳われた三輪山に自生する忍冬(スイカズラ)や百合(ササユリの根)等の薬草が供えられる。この神社は、酒造りの神様でもあるので、御神酒として忍冬酒(*)が供えられる。

忍冬酒:
乾燥した花蕾100グラムをホワイトリカー2リットルに冷浸し(氷砂糖30〜50グラム;好みで増減)、又は日本酒2リットルと混ぜ、少し加熱し、1ヵ月後、毎食後盃1杯位飲む(強壮、強精、腎臓病、皮膚病、膀胱炎)
性味:
(忍冬、金銀花)味は甘 性は寒
帰経:
肺・胃・心・脾
漢方処方例:
忍冬−治頭瘡一方(湿疹、くさ、乳幼児の湿疹)、金銀花−荊防敗毒散料(利尿、解毒)

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

[↑]