薬用植物紹介

オタネニンジン

オタネニンジン
Panax ginseng C.A.Meyer(Panaxs schinseng Nees)(Araliaceae)

朝鮮半島、中国東北部の原産で、日本では享保年間に渡来し、現在は主に福島、長野、島根で栽培される草丈約60cmの多年草。根茎は短く、主根は肥大して分枝する。茎は直立し単一。葉は茎の上部に3~4輪生し、掌状複葉で小葉は5枚、頂片が最も大きく、倒卵形~倒披針形で、葉先は尖る。長さ6~30cm。花期は4~7月で、茎の頂に花茎を単生し、淡緑色の小さい花を多数、球状の散形花序につける。液果は赤熟する。

薬用部分は、根で、生薬名は、そのままあるいは湯通ししたものを人参(ニンジン)といい、人参養栄湯等の漢方処方用薬に用いられている。なお、蒸したものは、紅参(コウジン)という。

オタネニンジンの名前の由来は、享保年間に、徳川吉宗が、平賀源内の師である田村藍水に国内栽培を命じ、成功させた。この種子を各藩に分与したところ「将軍より賜った種」という意味で「御種人参(オタネニンジン)」と呼ばれるようになったといわれている。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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