奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


ヒトツバ
Pyrrosia lingua (Thunb.) Farw.

ウラボシ科(Polypodiaceae)暖地の乾燥した岩上や樹幹に着生し、まれに地上にも生え、また鑑賞用として栽培される常緑性のシダの一種である。葉は根茎の平面からまばらにだし、単葉、披針〜長楕円形、革質で多少光沢が有り、裏面は褐色の毛が密生していて、胞子嚢群は混み合って付き、葉の裏の大部分又は全部を覆っている。葉柄は長短の差が著しい。全草を乾燥したものを石葦(せきい)と呼び、漢方では治淋薬及び慢性気管支炎、喘息にも使用し、民間では利尿薬として用いる。

類似植物に揚子江以北、朝鮮半島全域にコヒトツバ、イワダレヒトツバ(小石葦)及び中国南部、台湾にオオヒトツバ(大石葦)があり、石葦同様に用いる。

有効成分は不詳であるが、カリウム塩、β−ジトステロール、ジプロプエンなどが含まれる。

調製法:
秋に全草を採取し、水洗し、日干し。
性味:
性は平(帰経:肺・膀胱経)、味は甘・苦
用い方:
6〜12g/日に水400ccを加え、半量まで煎じて3回に分服。

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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