奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


アンズ
Prunus armeniaca L. var. ansu MAX.

バラ科(Rosaceae)。中国原産、古くから我が国でも薬用として栽培されている高木落葉樹である。現在、長野、山梨、山形の諸県で栽培され、3〜4月頃葉に先立って白色または淡い紅色を帯びた5弁の花を咲かせる。6〜7月にかけて果実は橙黄色に熟し、果肉は赤味を帯びて核と離れやすく、そのまままたは乾アンズ、ジャム、缶詰として食用にする。また、未熟果実を35度の焼酎(ホワイトリカー)1.8リットルに1kgの割で漬け、滋養強壮、冷え性、低血圧などに就寝前に盃1杯飲むとよい。

薬用には、核を割って中の種子を集め、日干しにしたものを「杏仁」とよび、鎮咳去痰などの目的で処方に配合されたり、製剤原料に使用されるが、単味で使うことはない。

その他、種子を冷圧して杏仁油をとり、軟膏基剤としたり、脂肪油を除いたものを水蒸気蒸留して、キョウニン水を製造する。

成分は、青酸配糖体:amygdarin(約3%)、脂肪油(30〜50%):oleic acid 、その他:emulsin, estrone.

「アンズ」の名前の由来は『本草和名』(918年)や『和名抄』(932年頃)にカラモモの和名に「杏子」の漢字をあてている(江戸時代)。

性味:
性は温、味は苦
帰経:
肺・大腸経
漢方処方例:
五虎湯、潤腸湯、神秘湯、清肺湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、麻子仁丸等。

(奈良県薬事研究センターよりご提供)

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