奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


フジバカマ
Eupatorium fortunei Turcz.

キク科(Compositae)。中国原産で古く日本に渡来し帰化した多年草。茎は円柱形で直立し、高さ1〜1.5m。葉は対生で葉柄があり、上部の葉を除いて3つに深く裂ける。8〜9月に枝分かれした茎の先に淡紅紫色の細長い頭花を多数付ける。又、万葉の秋の七草の1つで、古くからフジバカマと発音しており、これに藤袴の2字があてられた。又、昔より乾燥したフジバカマを寝室に敷いて床につくと高貴な香りによって心地よく眠れたものだという。これは葉を半乾きの状態にするとクマリン配糖体が加水分解されてオルト・クマリン酸が生じて芳香を放つことによる。

花期の全草を乾燥したものを蘭草(ランソウ)と称し[中医学で佩蘭(ハイラン)]、利尿、下熱、通経剤とし、浮腫、発熱、頭痛、生理不順に、又黄疸に用いる。民間では糖尿病の予防と治療又は皮膚病に浴料とする。

採取時期:
開花直前
調製法:
蕾みをつけた全草を採取して、日干しにし、乾燥後は密閉容器に貯蔵。
性味:
性は平、味は辛
帰経:
脾・胃経
成分:
クマリン、P−シメン、ネリルアセテート等の精油1.5〜2%を含む。
用法・用量:
(糖尿病に)蘭草・連銭草・枇杷葉・タラノキ樹皮各5gを混ぜて1日量とし、水400mlを加え、半量まで煎じて3回に分服。(皮膚病に)蘭草・300〜400gを細かく刻んで布袋に入れ、鍋で煮出してから袋ごと風呂に入れて入浴する。
漢方処方例:
佩蘭岑朴湯

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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