奈良県薬剤師会

薬用植物紹介


ウメ
Prunus nume Sieb. et Zucc.

バラ科(Rosaceae)。中国原産で、古く奈良時代に薬用として日本に渡来して以来、各地で栽培され、日本人に愛されてきた落葉小高木である。"梅は百花の魁(先駆け)"といわれ、早春、葉がでる前に白色または、紅色の5花弁を開く。また、多数の園芸品種があり、花の色も白から薄紅色・紅色、また、一重咲き・八重咲きと多様である。果実は緑色の直径2〜3cmの球形で、梅雨の頃黄色に熟する。梅の未成熟の果実を燻蒸乾燥したものを烏梅(ウバイ)と称し、漢方で止瀉薬あるいは駆虫薬として用いられる他、種子は梅仁、種子の中の仁を梅核仁と称し、中国で暑気払い等に用いる。また、果実を煮つめて得られるエキスを梅肉エキスと呼び、下痢、吐き気、その他消化器の異常に民間で用いる。また、ウメの名は烏梅の中国読みウメイに由来するといわれている。しかし、ウメは薬用としてより、梅干など食品としての利用が一般的である。

採取時期:
梅雨時(6月)
調製法:
熟しきっていない緑色の果実(青梅)を焙り乾かす。火は強すぎないよう40℃前後に保つ。果肉が黄褐色を呈ししわがよるまで焙り、さらに黒くなるまで加温する。(または、ワラ等で燻べて乾燥させる。)
性味:
性は温、味は酸
帰経:
肝・脾・肺・大腸経
成分:
有機酸(クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸)、オレアノール酸等のトリテルペン類を含む。成熟時には青酸配糖体を含む。
用法・用量:
(疲労回復・健康保持に)梅酒。傷のない青梅(1〜1.2kg)を水洗いし、水気を拭いたものをホワイトリカー1.8Lにグラニュー糖400gとともに入れ、半年から1年暗冷所に貯蔵する。大人1日1回30mL服用。
(かぜに)水洗いした烏梅1〜2個を水200mLで半量まで煎じて、熱いうちに服用する。
漢方処方例:
烏梅丸

(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供)

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